姉の美音と妹の馨は、居酒屋をやっていた無口で無骨な料理人の父と、夫が無愛想な分を補って余りあるほどに愛想の良い母親を事故で亡くして、その居酒屋を引き継いでいます。その店は美味しい料理とそれに合うお酒を絶妙な取り合わせで提供し、常連客は粋で温かい人の輪を作っています。
店名の『ぼったくり』は、料理に対して値段が高いという意味ではなくて、亡き父親の口癖『誰でも買えるような酒や、どこの家庭でも出てくるような料理で金を取るうちの店は、もうそれだけでぼったくりだ』という父親の口癖からつけられている。
すぐそこで料理の音や匂いがしてそうな、湯気が感じられそうな、温かい人間模様でほっこりします。ストーリーも身近でありながら、下町人情に溢れて、幸せのお裾分けをもらったような温かい気持ちになります。
シリーズでずっと続いているようで、何巻もあるようです。文字を読んでいるのに、漫画を読んでいるような、絵の浮かぶ不思議な読書感。
あっという間に読めて幸せ感が半端ない。優しい本です。出会えて良かった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年11月17日
- 読了日 : 2020年11月17日
- 本棚登録日 : 2020年11月15日
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