震災で親族を亡くしたわけでもないため、震災にあわれた方に比べれば私の境遇など全然比にならないのは理解しているものの、震災当時原発から100キロ地点に勤務していたため、震災本からは敢えて距離を置いていました。
震災から2年が経とうとしている今、偶然同僚が持っていたため本作を拝借しました。
震災から1ヶ月足らずで発売されている本作。当時はみんながみんな情報に対して疑心暗鬼になっていて、何が正しいか判断できずにいた。私も本作を当時読んでいたら何処まで冷静に読めたかわからない。
ただ、今読むからこそ筆者の博識具合、そして本を発売(敢えてお金をいただく)して伝えるというメッセージ性の強さが強く訴えてくる。
内容はというと、当時の東電、政府の判断の甘さ、そして内部事情、混乱を極めた現場を自身の経験から的確に捉えていて、それでいてどのような対策を講じ復興につなげるべきかの持論をしっかりと展開している。
どれも正論と思えるべき内容であり、筆者が唱えている復興策が一つでも多く実現することを深く願っている。
震災後私自身が感じた目に見えないものに怯えながら過ごした怒り、困惑、ストレス等を思い出しながら、またやはり定期的にこの災害と向き合う機会を作らなければいけないと強く思いました・
こういった作品は人に勧めるつもりはありませんが、考えさせられ、非常に勉強になる一作。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月6日
- 読了日 : 2022年1月6日
- 本棚登録日 : 2022年1月6日
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