薔薇くい姫・枯葉の寝床 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1996年7月10日発売)
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本棚登録 : 470
感想 : 30
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薔薇くい姫はこれまで私が読んだ森茉莉そのものの世界。既知の世界である。
枯葉の寝床もその調子で読み進めていき、仰天した。男色小説、と言われるのを嫌ったと何かで読んだが、うなづける。男色小説という言い方も今の時代となっては、なんだかなぁという感じではある。森茉莉に恋愛小説を書かせるとこうなるのかぁと驚いたわりには妙に納得。確かに、薔薇くい姫と同様の世界観の延長として、枯葉の寝床、日曜日には僕は行かない、がある。耽美な世界。男女の恋愛だと、こうはならないのは何となく分かる。男性同士の恋愛、女性同士の恋愛の世界は分からないけど、分からないからなのか、同じドロドロとした感情でも距離感がある分、耽美なところだけが抽出される感じがした。ということは、同性愛の人から男女間の恋愛を見たら、こんなふうに感じるのかな。同じ嫉妬やマゾ的な想いも、違って見える。森茉莉、ただのお嬢様ではないし、奥が深い人だなぁ。ますますハマっていく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月9日
読了日 : 2023年3月9日
本棚登録日 : 2023年3月9日

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