天才•川上未映子、デビュー小説
その問題意識とか文学的なテーマみたいなものが、未加工のまま、ある意味では尖り切り、ある意味では理解不能なかたちで散在している。
身体性に着目しながら、「かけがえのないわたし」像などどこ吹く風で、「わたしは奥歯や」と喝破してみせる。そのイメージは現実と正論でボコボコにされ、さらには抜き去ることさえ可能であることが示される。
しかし、だからこそ、世界は奥歯にパンパンに詰まっている。その逆説に、震えた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月3日
- 読了日 : 2021年10月3日
- 本棚登録日 : 2021年10月3日
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