ひらいて (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2015年1月28日発売)
3.71
  • (172)
  • (261)
  • (230)
  • (48)
  • (18)
本棚登録 : 3552
感想 : 272
5

映画がよすぎて、綿谷りさ作品でハマったことがなかったんだけど、原作も読んでみた
結果、原作の感度の高さに感嘆したと共に、この原作をああいうかたちの映画に解題した首藤監督の手腕に改めて感動した。

たとえの屈折が映画以上に際立っていて、映画を見てマリアみたいだなと思った美雪は原作では明らかにマリアを意識したキャラクター造形で、そして愛ちゃんのエネルギーが本から飛び出す勢いで充満していた。
「ひらいて」っていうタイトルモチーフは愛ちゃんにだけ絡んでいると思っていたんだけど、たとえ•美雪の「愛ちゃんの受容」という「ひらいて」の要素(映画では意図的に削られている気もする)もしっかりある。

とにかくこの詩的なモノローグをモノローグ0で表現した山田杏奈すごすぎ
今まで読んだ綿谷りさ作品で一番好き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月21日
読了日 : 2021年11月21日
本棚登録日 : 2021年11月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする