詩集が読みたくなって、図書館で探していると、岸田衿子さんの、この本を発見。パラパラ読んでいると、とてもかわいらしい詩を見つけました。
クルミ
りすはクルミを放したくない
ねむるときも
夢のなかでも
クルミを抱きしめている
りすはクルミを振ってみる
ころろ ころろろ クルミは唄う
その音をききながら
りすは祖先の森へ旅立ってゆく
この詩も素敵です
南の絵本
いそがなくたっていいんだよ
オリイブ畑の 一ぽん一ぽんの
オリイブの木が そう云っている
汽車に乗りおくれたらジプシイの横穴に 眠ってもいい
兎にも 馬にもなれなかったので
ろばは村に残って 荷物をはこんでいる
ゆっくり歩いて行けば
明日には間に合わなくても
来世の村に辿りつくだろう
葉書を出し忘れたら歩いて届けてもいい
走っても 走っても オリイブ畑は
つきないのだから
いそがなくても、いいんだよ
種をまく人のあるく速度で
あるいてゆけばいい
花のかず
ひとは行くところがないと
花のそばにやってくる
花は 咲いているだけなのに
水は ひかっているだけなのに
花のかずを かぞえるのは
時をはかる方法
ながれる 時の長さを
ひとは 群からはなれると
花のそばへやってくる
花は 黙っているだけなのに
水は みなぎっているだけなのに
、、、岸田衿子さんの、自然をえがいた詩を読んでいると、無風だった自分の感性に、風が吹きわたっていくように感じました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年12月14日
- 読了日 : 2020年12月14日
- 本棚登録日 : 2020年12月14日
みんなの感想をみる
コメント 8件
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/14
りまのさんのコメント
2020/12/14
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/14
りまのさんのコメント
2020/12/15
りまのさんのコメント
2020/12/15
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/15
りまのさんのコメント
2020/12/15
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/15