たいせつな一日: 岸田衿子詩集 (詩と歩こう)

  • 理論社 (2005年3月1日発売)
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感想 : 5
5

詩集が読みたくなって、図書館で探していると、岸田衿子さんの、この本を発見。パラパラ読んでいると、とてもかわいらしい詩を見つけました。

 クルミ
りすはクルミを放したくない
ねむるときも
夢のなかでも
クルミを抱きしめている

りすはクルミを振ってみる
ころろ ころろろ クルミは唄う
その音をききながら
りすは祖先の森へ旅立ってゆく

この詩も素敵です

南の絵本

いそがなくたっていいんだよ
オリイブ畑の 一ぽん一ぽんの
オリイブの木が そう云っている
汽車に乗りおくれたらジプシイの横穴に 眠ってもいい
兎にも 馬にもなれなかったので
ろばは村に残って 荷物をはこんでいる
ゆっくり歩いて行けば
明日には間に合わなくても
来世の村に辿りつくだろう
葉書を出し忘れたら歩いて届けてもいい
走っても 走っても オリイブ畑は
つきないのだから
いそがなくても、いいんだよ
種をまく人のあるく速度で
あるいてゆけばいい


花のかず

ひとは行くところがないと
花のそばにやってくる

花は 咲いているだけなのに
水は ひかっているだけなのに

花のかずを かぞえるのは
時をはかる方法
ながれる 時の長さを

ひとは 群からはなれると
花のそばへやってくる

花は 黙っているだけなのに
水は みなぎっているだけなのに



、、、岸田衿子さんの、自然をえがいた詩を読んでいると、無風だった自分の感性に、風が吹きわたっていくように感じました。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月14日
読了日 : 2020年12月14日
本棚登録日 : 2020年12月14日

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コメント 8件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/14

りまのさん
童話屋が出してる「いそがなくてもいいんだよ」を持ってる筈、、、こんなのばっかり。。。
年末年始は、絶対整理する!

りまのさんのコメント
2020/12/14

にゃんこまるさん
本の整理整頓て、難しいですよね。わたしは、とりあえず、漫画雑誌を、今度の、紙のゴミ出しの日にだそうと、まとめています。「いそがなくてもいいんだよ」気になる、、、

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/14

りまのさん
猫は、捨て猫だった時の記憶が黄泉帰るので、捨てるコトが出来ない、、、
捨てろ!と言われたら、堕天使の時の記憶が、反旗を翻すよう囁くんです。。。

りまのさんのコメント
2020/12/15

にゃんこまるさん
わたしも、本の処分は、苦手です。長いシリーズの、漫画本とか、グイン・サーガとか、その他、お気に入りの本でなくても、処分するの、難しいです……。

りまのさんのコメント
2020/12/15

にゃんこまるさん
猫丸さんは、何回も、よみがえっているのか、、、。不思議猫さんです、、、。おやすみなさい。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/15

りまのさん
でも、もう何とかしないとヤバイかも(鴨なんて言っている場合じゃない)

りまのさんのコメント
2020/12/15

にゃんこまるさん
12月も中半になりました、、、まだ、何もしてないけど…お互い、頑張って、整理しましょう、、、

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2020/12/15

りまのさん
にゃー

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