Ank: a mirroring ape

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  • 講談社 (2017年8月23日発売)
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感想 : 87
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京都にある民間施設「KMWPセンター」で総責任者を務める霊長類研究者の鈴木望は、南スーダンから〈ジュバC〉のコードネームを持つチンパンジーの保護を受け入れる。
センターにはすでにたくさんのチンパンジーが飼育され、知能を観察する実験をおこなっている。
保護したジュバCは、研究者の真似をして、今まで他のチンパンジーができなかった正二十面体の立体パズルを組み立てたのだ。
鏡像行為「ミラリング」という高度な同調行為を難なくこなす彼に、望は「アンク」と名づける。

冒頭、京都暴動のインタビューから始まったので、どう話が展開していくのか、夢中になって読みました。
チンパンジーは猿ではないというのもお恥ずかしながら初めて知りました。
この研究所の投資者はカウンセリング用AI研究をするダニエル・キュイ。
彼はAIに心を求め、霊長類研究にそのヒントがあるのではと出資した。
望は人間にはなくて類人猿にあるDNAの塩基配列についてダニエル・キュイに説明する。

ただのパニック系の話で終わらず、内容にも出てくるが「2001年宇宙の旅」や、「猿の惑星」を彷彿とさせる、生物の本能や法則、自然の摂理を感じられる小説でした。
面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年9月15日
読了日 : 2021年9月15日
本棚登録日 : 2021年9月15日

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