笑って泣けて心にジーンとくる素敵な物語です。
2mを越えるマッチョ、ゴンママ。
まず、ゴンママと愉快な仲間のいるジムに行きたいなと思いました。筋肉は嘘をつかない、私は部活後の筋トレがすごくすきでしたし。
それ以上に行きたいのがゴンママのユーモア溢れる「スナックひばり」です。
私はお酒が飲めないですけど。
ジムの面々のドラマはそれぞれで、渦中で放たれる言葉に目頭が熱くなります。
将来に悩む娘と父親。
仕事で成功したけど、故郷の家族が案じられる娘。
友だちができない、再会した幼なじみへの恋慕に悩む高校生。
幼くして失くした娘の喪失を引きずる歯科医。
「ゆとり世代」と「時代遅れ」の狭間で悩む老社長。
居場所のない高校生の少女。
一生孤独なのか懊悩するゴンママ。
それこそ、自分だって人生で直面するかもしれない悩みといってよいでしょう。
それらを、時にユーモアで時に真に迫る言葉で語り合い、支え合って乗り越えていくゴンママや仲間たち。
「自分の命より遥かに大事なものがこの世に誕生するなんて子どもを持つまでは想像できなかった。」
「自分の命以上に大切なものを眺めているときにだけに感じる、あの満ち足りたぬくもり。」
さすがに泣くなという方が無理な場面がたくさんありました。
作中、ゴンママの言葉もかなり素敵です。
もちろん、いつも明るいゴンママの葛藤や苦悩も語られ、ドラマに深みが増しているのです。
「でもね、愛した人を失わないよう努力した人だけが、きっと美しいのよ。最初からあきらめていた人は、たとえ愛する人を失っても、そんなに美しくないはずだわ。」
「いま、この瞬間のことだけ考えて、自分なりに素直に生きればいいの。今を素敵に生きれば未来はその延長線上につくられるから、きっと素敵なものになるのよ。」
「夢はね、必ず叶えなくちゃ駄目なの。叶えるとね、アラ不思議、あなたの過去が変わるのよ。」
「辛かった過去がキラキラした大切な思い出に変わるのよ。」
笑って泣けて、素敵な時間を過ごせました。
- 感想投稿日 : 2022年6月19日
- 読了日 : 2022年6月19日
- 本棚登録日 : 2022年6月18日
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