発達障害の子どもたちは世界をどう見ているのか (SB新書 636)

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  • SBクリエイティブ (2023年11月7日発売)
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発達障害を取り巻く状況は、目まぐるしく進歩を続けています。2022年の調査では何らかの障害に該当する児童生徒が8.8%に達したと言います。
そのため、医療と学校が連携していくことがますます大事になっていると感じます。特に医療では小児精神科医の育成が急務とあります。病院を受診するのに2ヶ月、3ヶ月待ちなんて当たり前の今。医大にこうしたカリキュラムが加えられるといいなと思いました。
また、教育の現場ではものすごく柔軟に、パラダイムを転換するほどの対応が求められると思います。少子化は進んでいるのに、不登校は24万人以上と増加の一方です。必要に応じてオンラインで授業が受けられるようにする。15~20人くらいの少人数にし、特性を持つお子さんにも対応するようにすることなどが考えられます。教科書を学校と家に2セット用意するのは面白いアイデアですが、教科書はタブレットで電子化されると思うので紙媒体はなくなっていくのかなと私は思います。
一人一台を実現した学校のICT機器の可能性も見逃せません。文字の読み上げ機能、カメラ機能、まとまった文章を打ち込める機能、フォントや文字の大きさを変える機能など、障害を持つ子が助かる機能がてんこ盛りです。
今回の岩波先生の書籍で、愛着障害が初めて登場したのも見逃せないところ。より発達障害を取り巻く状況、さらには障害を抱える子のみている世界を俯瞰できる内容となっています。また、障害を乗り越える著名人、先人の工夫も好例でした。
コロナ禍を経て、新たな知見がたくさんありました。子どもたちが生きやすい環境を整えて行けるとよいと思います

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月14日
読了日 : 2023年11月14日
本棚登録日 : 2023年11月11日

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