SMOKE&WATER 1 マルキ・ド・サドの孫娘

著者 :
制作 : 青木潤太朗 
  • KADOKAWA/メディアファクトリー (2016年5月23日発売)
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本棚登録 : 26
感想 : 2

※このレビューでは全2巻を纏めて扱っています。
※性描写並びに激しい暴力、流血及び損壊描写並びに死姦表現を含む作品です。

【印象】
暴力に関し、銘々の激しい嗜好を隠し持つ「こちらがわ」の人たち。
舞台は19世紀後半、架空の欧州を思わせる国境、閉ざされた豪邸。
持論及び私感としてはサディストにサディストをぶつけるのはこの世で一番気持ちいいことですので、大好きです。
あと"男の娘×女の子"に掠っている部分がありますし、その男性がド攻め且つ性欲まみれなのは個人的至福の一歩前です。異性装はありません。

【類別】
漫画。
強いていえばアクションとスチームパンクでしょうか。
性的倒錯、嗜虐、バトルロイヤル、閉鎖空間、それら辺り。

【筋1】
俗に言う”打ち切り”。
さらに、全2巻のうち第1巻中盤までは前戯であり、赤ちゃんが入浴するのにちょうどよさそうな温度。
ですから率直に言えば、ぜんぜんものたりないよもっとよみたいよ~~~~~です。くわえて、欲を言うと成年誌等の表現が許されたかたちで読みたいです(これは画の項にも通じます)。制作者の弾切れであるということならば仕方がないですが、そうでないなら絶対に続きを見せてくださいお願いします。どきどきしました。

【筋2】
特に気に入った台詞は「お酒で男の汗を洗うなんて あの頃以来だわ」、そして(画含む頁全体ですが最高なのは)「う だめだ溜まりすぎて頭まわんない…」。また、強い親近感を覚えた台詞は「別に人が痛いって言ってるとこ見るの好き――みたいなサディストじゃありませんから」です。
惹かれたガジェットは「キャリオプス・ダンス・リプロデューシング・オルガンドール(蒸気機関式自動再生風琴人形)」でして、グラスを傾けて水を入れてはたらくじどうしゃしてたのは中二心をひどくくすぐられました。

【画】
とりわけ心揺さぶられた場面は次のとおり。頬にピアノワイヤーが食いこんで流血する箇所。安物の材料の箇所(リフレイン)。深いキスで、舌でなにかを与える描写。10代の喫煙及び空嘔吐描写、それは絵面としては非常に好ましく感じられて、道義的には以下略の。人間オルゴール。人と物との吐血キス。ちょっとチクっとする一連の箇所(特に舌と唾液と涙)。胸を誤って握りつぶす箇所。
第6-7話のデファン・ウォルポール(「ピアニストの少年。少女のような可愛らしい外見をしている。」第1巻末より)は何度でも読みたくなります。

【備考】
このレビューは、アマゾンKindleストアにて2017年12月2日にDLしたものの鑑賞に基づきます。
なお、このレビューはサディストでもマゾヒストでもない人の手で書かれています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵+文
感想投稿日 : 2017年12月2日
読了日 : 2017年12月2日
本棚登録日 : 2017年12月2日

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