殺戮ゲームの館(下) (メディアワークス文庫 と 1-2)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス (2010年3月25日発売)
3.58
  • (32)
  • (58)
  • (61)
  • (20)
  • (1)
本棚登録 : 478
感想 : 40
3

(15.08.17-17読了)
人狼に沿ったゲーム設定と、それに加えて井戸というシステムが面白いと思った。みんなで縛り付けあって議論して混乱しながらも必死に魔物は誰か炙り出そうとする。いい感じにドロドロしています。
ただ、自己弁護しかしようとしない人たちや影の薄いひとたち、冷静に頭を使って議論しようとする人たち、それがはっきり分かれていて、そのまま「この人死ぬだろうな……」と解ってしまったので、スリリングさはあまりなかったかな。

「人ってこんなもんだよね」というちょっと哲学的な要素が割とメインの作品だったかもしれません。恋人亜美や親友小泉との関係とか、作中で語られているように館での日々は日常生活の圧縮された物で、なかなかリアルな生臭さが語られています。
ミステリ要素が欲しい人向けではないかもしれません。

他の多くのサバミスと違って魔物や裏切り者が「脅されてやらされている」ので、狂気には欠けます。
クローズドサークルで戸惑う人々、までは楽しめるけど、戸惑った末遂に精神が崩壊し殺人を……みたいな展開はないので、(悪趣味ですが)そういうのが目当てだった私には少し物足りませんでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年8月17日
読了日 : 2015年8月17日
本棚登録日 : 2015年8月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする