本書は哲学の入り口ではあるが、扱われる学問は物理学や量子力学とその子?である経済学や経営学など多岐にわたる。
中国語の部屋やトロッコ問題などの思考実験を著者とともに考えていくことで、「考える」行為について捉え直すことができた。
巷に流布されている「ロジカル・シンキング」本への痛烈なツッコミも面白く、読んでいて胸がすく感覚と、読む前に私自身も安易な回答を求めていたことを痛感した。
哲学関係の本として読めると同時に、社会についてや生きること(つまり死ぬこと)についても考えるきっかけになると思う。学生にも是非読んでもらいたい。
なぜなら、後半になるにつれて学生向けの具体的な話題へと移っていくからだ。
根っこは「考える」行為について熱情的に語っているところ、誤字があふれるくらい勢いのある文体、そして経済人をホモ・エコノミ「カス」と繰り返し書いているところなど、相当痛快なディスりも面白かった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月4日
- 読了日 : 2023年7月4日
- 本棚登録日 : 2023年7月4日
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