カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?

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  • 山と渓谷社 (2020年6月13日発売)
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動物好きにはたまらなく、面白い。中のイラストもすごく上手。(木原未沙紀さん)

長ったらしく、キャッチーなタイトルだが、著者はカラスを専門に研究されている動物行動学者の松原さん。
従ってカラスを筆頭に鳥に関する話題が多いが、昆虫から爬虫類、魚類、哺乳類まで、知らなかったことが面白おかしく書かれてある。
そしてこのタイトルにある形容は、全て人間が主に見た目で判断しているもので、決してそう簡単に割りきれるものではないことを言いたいがためのタイトルだと理解した。

人間以外の動物は、本能と進化の中で生存に必要な機能が備わったものが生き延びてきたものなので、彼らの行動は全て何らかの意味付けがあるのだろうなと感じた。

以下は、なるほどの例。

世界一ブサイクと言われている魚は深海魚のニュウドウカジカ。「リアル人面魚」としか言いようがない。
肥厚した背中の皮膚に卵を埋め込んで保護するコモリガエルもハンパなく気持ち悪い。

働きアリの法則といわれるものは、働きアリのうち2割は働いていない。2割は本当によく働くアリで、残り6割がそこそこ働くアリだという。面白いことに、働かないアリを除去して働く奴ばかりにしても、その集団だけにしてみるとやっぱり、よく働く:そこそこ働く:働かない=2:6:2になる。逆に、働かないアリばかりを集めると、今度は働かないアリだったうちの2割は(その中では)勤勉にり、6割は普通になり、残る2割は本当に働かないので、やっぱり2:6:2が維持される。

ハチドリは仮にー日じゅう食べ続けていても、気温や餌条件によっては餌が足りないと考えられている。
ここで、ハチドリは裏技を使った。夜間、休眠する間は体温をうんと下げ、代謝率を低く抑えて、消費エネルギーを削減したのである。つまり、彼らは鳥のくせに、毎晩冬眠しているのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年5月1日
読了日 : 2023年5月1日
本棚登録日 : 2023年4月29日

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