下村さんのデビュー作であり、苦節9年目に江戸川乱歩賞を受賞した作品。
気合いの入った作品だった。
満州開拓団、中国残留孤児という問題を脇役に語らせる事で分かりやすく、詳しくないわたしでも理解できた。
70歳にして兄が偽物では?と疑念を抱く主人公。
主人公が盲目という設定が、偽物かも?という兄への疑いを無理なく話が進む。
この本の見開きに下村氏の受賞のコメントが。
巻末に選考委員である作家らの選評が載っていた。
選評がとても面白かった_φ(・_・
受賞作なので内容は絶賛されてますが…
応募時のタイトル「無縁の常闇に嘘は香る」
「とにかくタイトルを何とかしろ」と言う今野敏さんに笑ってしまった。
確かに今野作品のタイトルは短い笑
落選した作品の選評はみなさんボロクソ笑
「何の為に500枚も読まされたのか唖然とした」
これまた今野敏さんの選評笑
こんな選評を9年間もらいながら、クサる事なく挑んだ下村さんは凄い( ̄▽ ̄)
以下巻末に掲載されていた受賞経緯です♪
第52回(2006年)から毎年江戸川乱歩賞に応募し続け、9度目で受賞に至った。この間、5度最終候補に残り、落選に落ち込む時もあったが、未熟さを見抜いた選考委員からの激励と受け取り、励むことが出来たという。[1]選考委員からは「相対評価ではなく、絶対評価でA」(有栖川有栖)、「自信をもって世に出せるものを送り出せた。ぜひ期待してほしい」(今野敏)と高評価だった[2]。応募時・受賞時のタイトルは「無縁の常闇に嘘は香る」だったが、「タイトルが意味不明」(石田衣良)、「作品のコンセプトを語り過ぎている」(桐野夏生)、「とにかくタイトルを何とかしてほしい」(今野敏)と総じて不評で、改題に至った。
タイトルは大事ですよね( ̄▽ ̄)笑
- 感想投稿日 : 2023年1月19日
- 読了日 : 2023年1月17日
- 本棚登録日 : 2022年12月12日
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