よく言われていることが書いてあるキリスト教的書籍という印象であった。
しかしながら、窮地に陥っている際には当たり前のことを他者から伝えてもらうことが心の安静に繋がるのだろう。
ところで、私は精神が沈んでいても曲解して物事を捉える節がある。そんな私が、「許しなさい」と言われて憎き相手を許せるだろうか?「キリストですら困難にあったのだ」と言われて納得するだろうか?否である。
「人間は不完全な存在」なのである。私は「不完全な我々が他者を憎んで何が悪いのか?」という発想に思い至った。他者を憎んでしまう自分に対する自己嫌悪の念を抱いていた私にとって、この発想を得たのは大いなる一歩である。
ぜひとも、本書を読んでもスッキリしなければ、「高潔な人間」であろうとしないで欲しい。一度、堕ちるところまで堕ちることも大切であろう。
存分に自分の負の感情すらも解放して、心を軽くしてから復活すれば良いのだ。
大丈夫、キリストは磔にされても復活したのだから。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年7月4日
- 読了日 : 2021年7月4日
- 本棚登録日 : 2021年7月4日
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