映画のシーンや要所の場面を上手くまとめてある絵本で、映画を観た時の感動が蘇った。
絵本を読み、思い出したことがある。
昔、社会科の先生(男)が、「かぐや姫はイヤな女だ。求婚者たちに無理難題を突きつけて、結局結婚しないのだから。」と言っていた。
どうして社会の授業中にそんな話をしたかは忘れたが、先生自身、自分はいつも正しいという高圧的な雰囲気が私は苦手だった。
高畑勲監督の「かぐや姫の物語」を通して、なぜ私が先生の発言に嫌悪感を抱いたのかわかった気がする。
かぐや姫が美しい顔だからと言い寄ってくる王子たちに対し、かぐや姫の気持ちは置いてきぼりになっている。帝は最たるもので、自分が言い寄れば「嫌がる女はいない」と言い、男の傲慢さが物語では描かれている。かぐや姫を自分の所有物にしようとし、彼女の心情を無視して男たちは勝手に暴走していく。
「求婚されたのだから、結婚〝すべき〟」、
そして従わない者を「イヤな女」と一言で片付けた当時の先生が、「かぐや姫の物語」に登場した傲慢な男と重なって見えた。
高畑勲監督のかぐや姫の解釈、あっぱれ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
子ども向け(日本語)
- 感想投稿日 : 2023年10月22日
- 読了日 : 2023年1月21日
- 本棚登録日 : 2023年1月18日
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