NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

著者 :
  • NHK出版 (2013年8月24日発売)
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本棚登録 : 764
感想 : 74

『フランクル 夜と霧』諸富祥彦さん

仕事で悩んでる時に、職場のケースワーカーさんがお勧めしてくれて買った本。

人生の意味、追い求めてたけど、私が求めるんじゃなくて、もう決まってるから、目の前のことに没頭するのが良いんやなと感じた。

読みやすく、わかりやすい。要点だけまとめられてる感じ。
私が絶望しても、人生が私に絶望することがないのなら、もう今はただ生きるだけで良いなと思う。
生きる上で、希望、大事やな。

これでいいのか悩み、答えでやんと思ってたけど、
「ホモ・パティエンス(悩む人、苦悩する人間)」やから、必要なことで、さらなる高みに今、自分がなろうとしているからやなと思って、成長してると思えて嬉しかった。

待ってくれている「誰か」のために、日々私らしく生きよう!

【本文より】
・どんな時も、人生には、意味がある。
なすべきこと、満たすべき意味が与えられている。
この人生のどこかに、あなたを必要とする「何か」がある。あなたを必要とする「誰か」がいる。
そしてその「何か」や「誰か」は、あなたに発見され実現されるのを「待って」いる、
「何か」があなたを待っている。
「誰か」なあなたを待っている。
私たちは、常にこの「何か」「誰か」によって必要とされ、「待たれている」存在なのだ。
だから、たとえ今がどんなに苦しくても、あなたはすべてを投げ出す必要はない。
あなたがすべてを投げ出しさえしなければ、いつの日か、人生に「イエス」と言うことのできる日が必ずやってくるから。
いや、たとえあなたが人生に「イエス」と言えなくても、人生のほうからあなたに「イエス」と光を差し込んでくる日が、いつか、必ずやってくるから。
・たとえ苦しみが取り除かれない時でも、その苦しみからなんらかの意味をつかみ取ることができるはずだ、と。・・・・さあ、ヴィクトール、今度はおまえ自身がそれを生きる番だ。
・どんな時でも人生には意味がある
・「何のために生きているのか」という問いの答えは、私たちが何もしなくても、もうすでに、与えられてしまっている。
したがってむしろ、私たちがなすべきこと、行うべきことは、私たちの足下に、常にすでに送り届けられてきている「意味と使命」を発見し、実現していくこと。「自分の人生には、どんな意味が与えられており、どんな使命が課せられているのか」ーそれを発見し、実現するように日々を全力で生きていくこと。ただそれだけであり、私たちは何もそれを求めて思い悩む必要はないのだ。
人生のこの、素晴らしい事実。あとはただ、私たちが素晴らしい真実に目を開くだけ。勇気をもち、こだわりを捨てて、人生のこの素晴らしい真実を受け入れていくだけ。人間は、「人生から問われている」とフランクルが言う時、それはこのことを意味しているのです。
・幸福それ自体を追い求めるのはやめて、仕事にただ没頭したり、愛する人を心を込めて愛し続けていれば、結果として、おのずと幸福は手に入ってくるものだ。
・自分に与えられた仕事にどれだけ最善を尽くしているか
・誰かと深く愛し合えたという「思い出」が、人間を最終的に救う力を持つのです。
・ドストエフスキー「人間は結局、何よって救われるのか。それは、たった一つでいい。本当に自分が愛した人、自分が本当に大切と思う人と深く触れあうことができたという、その一瞬の思い出があれば人間は救われるのだ」
・ただ、そのことを思い出すだけで、心が豊かに満たされ、生きていてよかったと思えるような記憶。それが体験価値です。
・フランクルは、容易なポジティブ・シンキングによって前向きに生きるよりも、悩むべき人生の本質的問題に直面した時には、それをごまかさず、目をそらさず、真正面から、とことん苦悩してよいし、そうするべきだ、苦悩には意味があるし、苦悩の極みにおいてこそ人間精神は真に高められていく、と考えたのです。
・悩んで、悩んで、悩みぬくこと。
 苦しんで、苦しんで、苦しみぬくこと。
・あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない
〈寄稿 姜 尚中(カン・サンジュン)さん〉
・フランクルは、その人が苦しみ抜いて得ようとしているものを尊いといっている。
・絶望の底に落ちても、人間には容易に崩れ去らない精神というものがあります。そして、それは苦悩すればするほど大きな実りをもたらしてくれるのです。それこそが「悩む力」であり、フランクルが訴えたかったことです。
・生きることがどんなに辛くても、逃げない、避けない、否定しない。
・「時の痛みとともに、永遠の至福が訪れる。」
時とともに忘却の力が働き、痛みが薄れていくのではないのです。むしろその逆で、時がたっても痛みはなかなか薄れぬ。フランクルは、その辛さとしっかり向き合っていけと言っているのです。苦しみから逃げず、yesと答えて耐えていけーーと。そうすることによってこそ、いつか至福の瞬間がやってくると言っているのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月4日
読了日 : 2024年2月4日
本棚登録日 : 2024年1月18日

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