めだかボックス 3 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2010年2月4日発売)
3.75
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本棚登録 : 1123
感想 : 28
2

2巻のレビューで書いた通り、天才を作る天才を作る天才、という構造が明確になってきた。というわけで、これ以上メタ的な読解は無意味であると判断し、違う側面から考えてみたい。
まず、黒神めだかと人吉善吉の関係であるが、これはエヴァ以降のセカイ系的作品の持つ、能動的な女性と受動的な男性のカップリングの典型だといえる。その頂点が「ハルヒ」であることは論を待たないが、その特徴として一人称主体が受動的男性(ハルヒならばキョン)である事が挙げられる。それは本作も同様で、度々入るモノローグはほとんどが善吉が担っている。
だが、この構図にはもう一つ特徴がある。それは往々にして受動的男性を描くための手段である、ということだ。
「ハルヒ」における最大の謎はキョンである。それは同様に善吉こそが真の謎であり主人公であるといえる。
今後の物語の展開上、この認識は非常に重要になってくると思われるので、注視して読解を進めたい。
あともう一つ、本作は本宮ひろ志の影響があると言ったら笑われるであろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月9日
読了日 : 2020年9月9日
本棚登録日 : 2020年9月9日

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