冒頭に浅草氏が水崎氏と二人で旅行している事に驚く。いやはや浅草氏は水崎氏に心を開けたのだね。ほっこりした。
とはいえ、本巻はなかなか重厚な問題を扱っている。それは「ストーリー」の問題である。
いままでアニメ制作の「動き」や「音響」「演出」といったところがクローズアップされてきた。それは非常に興味深い事だし、掘れば掘るほど「明示的」な発見がある分野で面白い。だが、同時にオタクが陥りがちな罠でもある。
往往にしてオタクは批評を嫌う習性がある。なぜなら物語はありとあらゆる解釈と批評が構造的に可能だからだ。つまり答えがないのである。(最近は「考察」という名で答えを短絡的に得るようなトレンドもあるが。)
本巻でストーリーを扱う本作は、前巻でアニメ制作の外部(金森氏の過去)を描いたことも含め、ただの古き良きオタク万歳作品ではないことを表している。
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- 感想投稿日 : 2021年4月26日
- 読了日 : 2021年4月26日
- 本棚登録日 : 2021年4月26日
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