2001年に脳梗塞に倒れ、右半身付随と嚥下障害に苦しむ東大名誉教授の著者。倒れた直後の状態からリハビリの様子が当事者目線で語られる。
障がい者の苦しみや不自由さは想像することでしか理解できなかったけど、その理解がほんの少し深まった気がする。同じく右半身麻痺と言語障がいがある義父を思い浮かべながら読み進めた。理学療法士に比べ、言語聴覚士、作業療法士の育成が進んでいないと書かれていたけど今(本書発行から15年後)はどうなんだろう。
障がいを抱えながら執筆活動を続けたことは大変に素晴らしい。この方自身も非常に努力されたのだと思う。こうして当事者目線の本を残してくれた事もありがたいと思う。でも元東大名誉教授、妻が医者、自宅をバリアフリーに建て替え、大学病院まで徒歩数分の住まい…言い方はアレだけど上級国民である著者。何度も死にたい気持ちになったと書かれていたけど、本当に自死に至ってしまう側の人も世の中には沢山いるんだろうなぁ…と考えずにはいられない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年5月21日
- 読了日 : 2022年5月21日
- 本棚登録日 : 2022年5月17日
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