自伝的短編小説&随筆集。
幸田露伴という偉大な父への深い敬愛の気持ちが全編にわたって溢れている。なんなら若干食傷気味になるくらい。
文学史にも出てくるような幸田文の代表作は意外にも収録されていないのだけれど、本の後半全体を占める『みそっかす』が特に秀逸。作者の幼少期を綴った随筆で、歯切れの良い文章が利かん気の強い子供だったであろう作者の姿を生き生きと想像させてくれる。むかーし、国語の試験にこの作品から「父・露伴に毎朝百人一首を暗唱させられる」くだりが出題されていて、試験なのに引き込まれた思い出が…。
続編があるようなので探して読んでみようかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
随筆・エッセイ
- 感想投稿日 : 2022年5月1日
- 読了日 : 2022年5月1日
- 本棚登録日 : 2022年5月1日
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