今日のハチミツ、あしたの私 (ハルキ文庫 て 2-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2019年3月13日発売)
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寺地はるなさん初読み。甘い展開ではないが、優しい話。
主人公・碧の成熟ぶりをとても尊敬する。どこか冷めたところがあるが、他人に迎合することなく、自分を卑下したりせず、いつもブレずにいる。婚約者とその故郷で結婚して暮らすため、仕事を辞めてきた碧。その後、想定と違う流れになるものの、感情的になったり誰かのせいにしたり、後悔したり、ということは一切せず、とにかく受け入れる。婚約者と一緒にいたいと思った「自分」のためにした行動である、とか、婚約者の父親から投げかけられた心ない言葉に対しても「なんと言われようが碧の人生には全く関わりのないこと」だと思えるのは成熟した強い人だからだと思った。そして明日がどうなろうと今日を気分良く過ごすことが大事だとか、食事はおろそかにしないだとか、これまで経験してきたことは一つも無駄ではないという考え方にも共感した。また読み返したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月1日
読了日 : 2022年7月31日
本棚登録日 : 2022年8月1日

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