最新版 「うつ」を治す (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所 (2014年11月14日発売)
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感想 : 9
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うつの基礎的な知識を、当事者やその周囲の人々にもわかりやすいように書かれている。専門用語が少なく、あったとしても平易な説明が必ず付け加えられてあるので、ある程度の知的レベルのクライエントへの心理教育にも利用できるかも。
また、そのように一般レベルで読みやすいような内容となっているため、非常にあっさりしており、専門的に学びたい人にはやや物足りない印象。
繰り返し強調されていることは
・周囲の人々は、うつを有する人の表面的な問題行動に目が行きがちであるが、その裏にあるうつの存在に気づくことが重要
・精神疾患の薬は抵抗感がある人が多いが、薬はギプスのようなものだから併用した方が効果的なことが多い。そのためにはクライエントによる薬への理解を深めることも必要
といったことなど。
大野先生は認知療法寄りの認知行動療法を専門とされているが、当方行動療法寄りの認知行動療法を好む身としては、うつを有する人々の具体的な問題(回避行動の機能など)への言及がほとんどなく、切り込みが甘いように感じた。ただ、だからこそある意味でクライエントの「痛いところ」はあまりつつかないので、心理教育には向いてる書籍であると言えると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年3月2日
読了日 : 2020年3月2日
本棚登録日 : 2020年3月2日

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