検事の死命 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年8月24日発売)
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感想 : 195
5

検事の死命 柚月裕子さん

検事のプロ/職責  ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
検事対弁護士の闘い ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
読了/爽快感 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

「明日のきみへ」から始まった柚月さんとの出会いです。

読みつづける理由は、やはり人間らしさの描写です。
「  」の会話から、登場人物の感情からこちらに伝わってきます。

だからでしょうか?
文字の世界が3次元への世界に豹変していくような、そんな感覚になるのです。

この「検事の死命」という作品も、いつのまにか三次元の世界へと没入していました。

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「死命」とは、死ぬか、生きるかの急所です。
検事の死命とは、ふたつの意味合いがあります。
①検事としてキャリアを積み重ねつづけることができるのか?
②検事としての職責を果たしつづけることができるのか?

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主人公の検事は、高校生の猥褻事件を担当します。
被疑者は、地元資産家/名主です。

したがって、警察や検察の上層部から「不起訴妥当」の圧力を受けます。

【関心があるのは、罪をいかにまっとうに裁くのか?】

検事は、①の保身ではなく、②の職責を貫きます。

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人生の時間において、仕事に携わる時間は少なくありません。

主人公のように、仕事において、信念をもち、そして曲げずに取り組む姿勢は、大切な何かを想起させる機会にもなりました。

柚月裕子さん。
ありがとうございました。







読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年1月9日
読了日 : 2022年1月9日
本棚登録日 : 2022年1月8日

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