力士として、師匠として、そして解説者としての北の富士勝昭氏の魅力に迫った一冊。
その時々の時代背景を絡めての考察は(真偽のほどはさておき)面白いが、やはり何より面白いのはご本人のエピソードの数々だ。兄弟子からのかわいがりの末の奮起、破門からの幕内最高優勝などはやはり横綱まで上り詰めた人物の芯の強さの表れだろうし、今なら物議を醸しそうな「横綱らしからぬ」行動も、かえって「北の富士らしい」と感じさせる。そんな「北の富士らしさ」について、二人の師匠や同世代の玉の海、龍虎、弟子である千代の富士、北勝海との関係性から探っていく試みはとても興味深い。ゆかりのある人々へのインタビューも、どれも氏を知る上で貴重な内容と感じた。
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- 感想投稿日 : 2020年10月12日
- 読了日 : 2020年10月8日
- 本棚登録日 : 2020年10月1日
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