良いと思わない。私小説。いわば川端なりの仮面の告白であるが、整然としない。少年期を丁寧に書けるかは、ひとつ作家の重要な指標だが、これはどうなのか。原点を振り返るという意味で、トルストイや三島は確かに上手い。
肯定的に捉えるのであれば、「伊豆の踊子」の裏作品として読まれるべきである。また、川端康成研究上は不可欠ともいえる。
後書きはエッセーだが、川端康成の女性からは「匂い」がしないという。それは谷崎に比べればそうであろうが、「眠れる美女」などを読んだことがないのだろうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2022年4月12日
- 読了日 : 2022年4月12日
- 本棚登録日 : 2022年4月12日
みんなの感想をみる