下巻は2020年~2023年の話。火星に行くというスペースXのミッションを達成するための営利事業としてスターリンクを立ち上げる話からスタート。スペースXで大型ロケット「スターシップ」を建造するプロセス、テスラのオースティン工場の立ち上げ、テスラのロボット開発、脳で直接動かすコンピューター「ニューラリンク」開発、ウクライナに対するスターリンクの無償供与をめぐるエピソードが切れ目なく続く。
そして2022年に入りツイッターの買収に関して、一度は買収から降りようとするが結局同社を買収し、テスラやスペースXで行ったのと同様の「シュラバ」を作って事業/組織を根本的に転換していく2023年4月時点までの話。
イーロンマスクの頭脳が常人離れしていることは否定しがたいが、あまりにも狂信的な仕事ぶりや物の考え方と進め方を知ると、彼という一人の人間に今の社会がこんなに振り回されていることが阿保らしくなってくる。
本書ラストから現在(2024年4月)までの約1年で、世の中ではOpenAIのChatGPTが公開され、TwitterがXに社名変更した。EVは米大統領選の政争の具となり、テスラはBYDとの販売台数鈍化にさらされて販売台数が低下。テスラ株価が低迷する中でマスクに対する風当たりは強い。一方でスペースXは2024年3月についに軌道飛行実験に成功した。好むか好まざるかはともかく、マスクが現役である限り、彼が経営する複数の会社が、世界を変えるサービス・商品の提供を続けるのだろう。
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ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2024年4月6日
- 読了日 : 2024年4月6日
- 本棚登録日 : 2024年3月21日
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