天皇とは何か (宝島社新書)

  • 宝島社 (2013年2月9日発売)
3.41
  • (3)
  • (14)
  • (28)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 122
感想 : 15
3

逆説の日本史で有名な井沢氏と、新興宗教の研究で知られる宗教学者の島田氏の対談本。と言っても、編集者があまりうまくないからなのか、途中まで対談というより対談の名を借りた解説本になってしまっている。あと、途中からは島田氏が井沢仮説に対して相槌をうつだけの役割になっていて微妙。
ただ、天皇の起源や卑弥呼についての井沢仮説自体は面白いし、天皇制が日本に民主主義が根付く下地になんったという考えはなるほどと思わせるところがある。
今後の天皇制という部分でも書かれている通り、天皇制は宮家の基本的人権を犠牲にすることで成り立っている。それをどれだけの日本人が受け止めているのかは、かなり疑問。その意味で、個人的には天皇制の廃止もしくは今後の在り方を考えるのは重要なことのように思える。
この本で指摘されている通り、日本人は色々と曖昧さを好む傾向にあった。天皇の出自についてもそうだし、仏教とのかかわりについてもそうだ。今現在、一般の人が考える天皇だって、曖昧模糊とした漠然としたものだろう。外人に天皇って何って聞かれて即座に答えられる人は少ないんじゃないか? そんなことを考えながら、「天皇がいなくても日本人はやっていける」という話を、よく行く飲み屋のママ(推定60代)にしたら、「それはない」と一蹴された。天皇制については世代間の認識の差もかなり大きいんだろうなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2014年1月3日
読了日 : 2014年1月3日
本棚登録日 : 2014年1月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする