ドグラ・マグラ(下) (角川文庫 緑 366-4)

著者 :
  • KADOKAWA (1976年10月13日発売)
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本棚登録 : 9535
感想 : 557
5

この本はすごすぎます
もう二度と生まれてこないと思います
私は上巻から読んでいてなぜ胎児の夢を繰り返し説明するのか不思議に思っていました
胎児の夢→胎児がお腹の中で人間の進化を見てる
つまり遺伝子というものが形を成す過程を見ていることを言っている

はじめはミスリードばかりが多く真実が見えませんでした。
呉一郎の父親正木博士がなぜここまで自分(主人公)のことを息子と言えないのか。離魂病というのを患ってるのか。
最後の主人公の言葉に
「俺はまだ母親の胎内に居るのだ。大勢の人を片っ端から呪い殺そうとしているのだ。しかしまだ誰も知らないのだ。ただ俺のものすごい胎動が母親が感じているだけなのだ。」
主人公の見ている世界が壁を隔てて見てる理由も夢のように曖昧で不合理的な世界に納得も行きます。
正木博士は胎児の夢を胎児は恐ろしい世界でその過程を見ているから母胎にでてきた時産声を出すと言っていました。
主人公はまだ胎動の中で遺伝子の過程を永遠と繰り返しこれからの遺伝の形質が現れる優先遺伝を選別しこの遺伝から発生する未来を見ている。
それを考えると絵巻物は呉青秀の遺伝子なのかもしれない。
現に主人公は母体から出る瞬間呉青秀を見ているため
彼の遺伝が強いのでしょう。
また、しきりに出るブーーンこの音は胎動の音だと思いました。小説内では時計の音と言っていましたが胎児が産まれるまでの時間を表す比喩表現なのかなと思いました
呉一郎は推定明治40年の12月に生まれると父が言ったように離魂病を最後に患った今日11月20日に呉一郎はもう産まれてくると考察しました。
これからこの遺伝子を背負い生まれる呉一郎の呪い殺す遺伝を赤子がどうにか受け止め克服するために胎児の夢は見てるのだと信じたいです笑
人間は皆キチガイと正木博士が言っていたのは赤子がキチガイなこの胎児の夢を永遠と見せられるてるからなのかも知れません。
この発想力と精神力ものすごいと思います
感動しました
この本は生命を感じるほどの力作だと思います

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月4日
読了日 : 2023年5月4日
本棚登録日 : 2023年3月31日

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コメント 3件

マメムさんのコメント
2023/05/04

初コメです。
三大奇書と言われる本作が読めるりんさんに尊敬です♪

りんさんのコメント
2023/05/04

マメムさん初コメありがとうございます!
ドグラ・マグラは何度も読むのを断念しかけてますが読めて良かったです笑

マメムさんのコメント
2023/05/04

りんさん、お返事ありがとうございます。
諦めかけても読了しちゃう所も凄いです♪達成感も格別でしょうね^_^

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