遂に『1984』です
しかしながら小説版が近隣図書館になく、しかも何故か大人気のこちらを予約待ちの果に
面白い!めちゃくちゃ面白いんだけど、それは元々の『1984』がとんでもなく面白いからでついつい「お前の手柄じゃないからな!勘違いするなよ!」と本に向かって言ってしまう
なんか大人気ない
「え?読んでますやん?面白い言うてますやん?」という声が本から聞こえてくる
うん、そうなのよ
でも、読ませてもらって、楽しませてもらって、分かりやすく理解させてもらってほんとうに申し訳ないんだけど…
最後まで「お前じゃない」感が払拭できなかったのね
なんで★3、ほんまごめんやけど
はい、そんで中身!
うん、いろんな捉え方ができるし、いろんな捉え方をしていいんだろうけど、そういう芯の部分じゃないところでひとつ
物語の成り立ちというか構成みたいなんが非常に科学的だなと感じました
思想とか哲学みたいなところを論じるのに、すごく論理的思考によって文章が構成されていて緻密で隙がない印象
うん、SFやわーって、すごいSF感だしてきてるわーって思いました
あとね、やっぱりニュースピークについて触れねばなるまい
まぁ皆さんいろいろと考察されてるんですが、ちょっと変わった視点をひとつ
「ニュースピーク」とはオーウェルが生み出した新しい言語体系なんですが、これは言語(単語)を削ぎ落とすことで、思考力を制限することを主な目的として作られてるわけです
概念を表す言葉がなければ、人はそんな思考を持つことができないという恐ろしい思想のコントロール方法です
で、これ知ってる人はすぐ気が付いたと思うんですが、エスペラント語と非常によく似てるんですよね(調べたらオーウェルはそもそもエスペラント語を参考にしたって説もあるみたい)
エスペラント語ってのは世界中の人たちが意思疎通をしやすくするための共通語として簡略化された言語体系を持ってるんです
なんとびっくり!
世界を閉じるために作られた言葉と世界を広げるために作られた言葉が結局似たような言葉になってます
でも、全く正反対の目的を達成するための手段が同じことってけっこうあるんですよ
なんかそんな矛盾の中にもオーウェルが伝えたかったことが隠されてるような気もするんですよね
そして、小説版もいつか読むという決意表明をもって締めさせて頂きます
- 感想投稿日 : 2023年6月18日
- 読了日 : 2023年6月18日
- 本棚登録日 : 2023年6月17日
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