ドラキュラ (光文社古典新訳文庫 K-Aス 3-1)

  • 光文社 (2023年10月12日発売)
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感想 : 4
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吸血鬼ものの元祖が新訳で出版ということで、これを機に読了。
訳はとても読みやすく、スラスラ読めるので800頁も苦ではない(多分)。

ドラキュラの住むトランシルヴァニアへの旅行描写、そこに住む人々の詳しい描写など細かくリアリティを積み重ねることでドラキュラの実存感が高まるのが素晴らしい。
また、中盤にかけてのドラキュラが船でイギリスに上陸し、いつの間にやら着々と地盤を固める様子や、ルーシーが吸血鬼にされてしまう所の普段通りの日常生活が崩れる展開などホラーとしての面白さを存分に発揮している。
ただ、後半のドラキュラを倒す部分は人間側があまりにも強すぎて面白みがない(金のパワーで大抵解決する)のと、ドラキュラ側の言い分が描かれないのでちょっと可哀そうに思える。
また、正直800頁超えはやっぱり長いし、三分の二くらいにページを減らしても特に問題ないのでは?と思う。
あと、半吸血鬼になってしまったミーナが逆にドラキュラを探知するところや、ドラキュラを不死たらしめている土の入った木枠を次々と破壊するところなど、ハリーポッターのヴォルデモートみたいだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2024年1月13日
読了日 : 2024年1月13日
本棚登録日 : 2024年1月13日

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