善悪ははっきり線で区分できるものではなく、人それぞれが持つ物差しの尺度と立場によって変わってしまう。祐一は悪人とは言えず、かと言って善人とも言い切れない。悪人とは健康食品会社の社員のように、悪行を日常的に行い、他者に多くの不利益を与える人間のことを指すと思うが、家族にとっては普通の良きパパの顔もあるかもしれないし…と悶々と考えさせられる。石橋佳乃にも非はあったが殺されて当然でもないし、増尾は悪人寄りだが決定打は下していない。祐一の祖母と佳乃の両親が不憫でならない。
映画は未鑑賞だが、岡田将生君は本当に善人面した悪人役が似合う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本ミステリー
- 感想投稿日 : 2023年1月27日
- 読了日 : 2020年5月3日
- 本棚登録日 : 2021年4月17日
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