となり町戦争 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2006年12月20日発売)
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感想 : 853
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 となり町と自治体の公共事業として戦争する舞坂町に住む主人公。戦況も報じられず、大義名分やそもそもの戦争の是非について論じられることなく、日常の延長線上に戦争が行われている。偵察任務を命じられた主人公ですら、となり町との戦争を実感することなく、いつも通り仕事に行き生活している。個人が実感できない事象は存在していないことと同義である怖さ。自覚がないままに戦争に加担し、間接的に誰かを殺しているかもしれない恐ろしさも感じる。香西さんが1番の犠牲者なのに市職員として感情を押し殺している様が切ない。文庫書き下ろしの別章も良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 純文学
感想投稿日 : 2024年1月11日
読了日 : 2008年11月10日
本棚登録日 : 2021年4月17日

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