イニシエーション・ラブ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年4月10日発売)
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本棚登録 : 37693
感想 : 4624
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どんでん返しで有名な作品の1つとして様々な所で紹介されている本。
読んでいるときに思ったのは「鈴木夕樹」が2年間で大学生から社会人となり、繭子との関係性が彼の浮気により崩壊していく展開なのかと思っていた。この時は鈴木夕樹は最低な人間で、繭子がかわいそうだと思っていたらSide-Bの最後で「辰也」という言葉が出てきてびっくりしてしまった。え、じゃあSide-Aで出てきた鈴木とは別人って事?様々な疑問が頭の中で交錯する中で、考察サイトや最後の語群を見て、やっと理解できた。この話は「鈴木夕樹」が最低な人間に堕落するまでの話ではなく2人の男を手玉にとる繭子の悪女ぶりを表わすものになっていたところがすさまじいと思いました。この話が、バブル期を時代設定としておいているため、バブル期をとっくに過ぎた読者からすると、そのまま時間軸のトリックにはまりやすいので騙されやすさが増すのだなと思った。

この作品をアニメ化(できるかどうかわからなけど)した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
鈴木夕樹・辰也:下野紘
成岡繭子:小松未可子
石丸美弥子:上坂すみれ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2022年6月4日
読了日 : 2022年6月4日
本棚登録日 : 2020年11月3日

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