向日葵の咲かない夏以来の道尾秀介作品。向日葵ほどの気持ち悪さはないものの、人間の精神を題材にした作品であった。
道尾秀介作品はどんでん返しがテーマであるためどんなだまし要素と伏線回収があるのかと思ったが、それを前提に読んでいても予想できずに騙されてしまった。しかし、物語の随所に出てくる伏線とミスリード、そしてその回収がとても気持ちよかった。
そして作中最大の見せ場である洋一郎が頼りになる大人と見せかけて、ずっと自分が精神科医だと思い込んでいる男であった事が明らかになったところで第1の衝撃を食らい、そしてその精神疾患すらも田地を殺害するための演技であると知ったところで第2の衝撃を食らいとても面白かった。
そして、前回の向日葵のイメージから嫌ミスのイメージかなと思ったら、親子のこれからの再生を描いたラストはとても良いと思った。
最後に、この作品からこれからも道尾秀介作品を読んでいきたいです。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
我茂洋一郎:津田健次郎
我茂凰介:種崎敦美
水城徹:小西克幸
水城亜紀:高橋李依
水城恵:内田真礼
田地宗平:緒方賢一
原野房江:日笠陽子
竹内絵美:中原麻衣
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー小説
- 感想投稿日 : 2022年2月11日
- 読了日 : 2022年2月11日
- 本棚登録日 : 2022年1月9日
みんなの感想をみる