語彙力こそが教養である (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA (2015年12月10日発売)
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感想 : 232
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久々に齋藤孝先生の本。これもブックオフ100円購入のストック本。
自分にとっては、齋藤先生は活きた国語の先生的存在だ。毎度のことながら、こうして読書を通じて受ける齋藤先生の国語の講義(と自分は捉えている)は、非常に楽しくて啓発的。

どうして楽しくて啓発を受けるのかというと、やはり齋藤先生の読書量が豊富で読んだことのない本のことを興味深く紹介してくださること、齋藤先生の読書に対する思いが強く伝わってくること、そして話がわかりやすいからだろう。

本書の構成
第1章 教養は言葉の端々に表れる
第2章 語彙力アップには名著が近道
第3章 テレビやネットでも言葉は磨ける
第4章 8つの訓練で「使える語彙」にする
第5章 洗練された言葉づかいを身につける

第1章は、「すごい」とか「やばい」とかそんな言葉ばかりでも生活していけるが、もっと自分の表現の幅が広がれば、周りの信頼も得られるし、何より自分の見える世界が変わるということを言われる。

第2章は、王道、読書のススメですが、語彙力アップの最短コースとして、次の6点がオススメだった。
・「ドストエフスキー」
・「ミステリー
・「三国志」
・「論語」
・「仏教」
・「シェイクスピア」

第3章は方法論。次の7点を推奨。
・「歌詞」
 →歌詞の中の「言葉」に注目するとは想定外でした。
・「インターネッと」の活用
・「アマゾンレビュー」
 →読者のレビューに秀逸がある。
・「テレビ」
 →よい番組をセレクトして収録し、後から倍速で見る
・「ドラマの脚本」
・「映画の字幕」
・ツールの活用(電子辞書、タブレット端末)

第4章の「8つの訓練」が何をさすのか、まとめられていなかったように思う。読み損ねたかもしれないが、自分なりに次の8つかなと整理(間違っていたらゴメンナサイ)。
①オウム返しでインプット&アウトプット
 →会話中の相手から出た言葉をオウム返しに使って瞬間的に自分のものとする
②アウトプット5回の法則
 →覚えた新しい表現を現場で5回以上使ってみる
③セレクト音読
 →名作の名シーンなどを切り取って声を出して読んで見る。
④登場人物や語り手になりきって音読
⑤小説、古典、名著の素読
 →精読(意味をじっくり考えて読む)前に、文豪の表現をまるごとインプットするイメージ(日本人では漱石、ドイツ人ではルター、ゲーテが著者の推奨)。
⑥落語や漫才から「笑いの語彙」をコピーする
⑦パートナーを見つけて難しい語彙をひたすら交わす
⑧四コマ漫画で要約力を身につける

第5章 プラスアルファ。
自伝を読むことや、譬喩で表現してみること、言葉が時代とともに変化するということなどについて述べられていた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 斎藤 孝
感想投稿日 : 2020年12月26日
読了日 : 2020年12月26日
本棚登録日 : 2020年11月22日

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