現代を悲観的にみて危機をあおるやり方は、知の巨人と言われる佐藤氏としては、いかがなものかと思うし、それを強引に新帝国主義の時代を迎えたことをもってその原因としているのは、あまり飛躍しすぎていて説得力がないように思う。
そして、その解決方法が、個人も国家もストーリーが必要で、第3者的な立場でみるのではなく、それを実践し、体現していくことが重要だとの結論。
新帝国主義という時代認識は、与那覇潤氏の「中国化する日本」にも通じるものがある。
そして、国家にも個人にもストーリーが不可欠だというのは、人間の本性には「因果論」が組み込まれているという(「(日本人)橘玲著」)事実から、過去も今も将来も変わらないでしょう。
とはいえ、内容の面白さとその博識ぶりに感心しながら、一気に読み進めるとが出来る興味深い本なので、一読するに値する本だと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治
- 感想投稿日 : 2012年9月30日
- 読了日 : 2012年9月28日
- 本棚登録日 : 2012年9月30日
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