正体不明の美しき善良な殺し屋と過去を背負った美形の天才ハッカー…美青年ふたり!この設定だけでも十分魅力的なのだが、何かを隠ぺいしてる登場人物達、少年少女達が暮らす隔離された地下施設「ホーム」、過去の災厄、ウイルス感染、SFや先端医療の用語が散りばめられ、私好みのぞくぞくする設定で、前半3分1くらいは読むのがもったいない気がして少しずつ読んでた。
中盤から後は先を知りたい衝動が強くなり夜更かしして一気にラストまで読みふけった。
読後感は割とすっきりしている。
が、正直疑問やもやもやした部分もある。
三井は最後までブレることなく三井だ。これはいい。
ラストの方は清水玲子の「月の子」を思い出した。
後からアンドロギュヌスの意味ググったらなるほどそのまんまだw
でも、タイトルについてる「皮膚」は?
作中の病院は人工皮膚の技術で有名なわけだし、明かされる真実と先端技術の人口皮膚が何かとても重要なキーワードだと思って読んでいたのだが(マルドゥック・スクランブルを思い出しつつ)、読み終わってみたら、特にタイトルに皮膚をつけるほど皮膚が重要でもなかった。
あと、毎度のことながらアテにならない本の帯。
むしろ、ミスリード狙ってるのか。
「殺し屋と性悪ハッカー。二人を結ぶ、十年前の罪と罰」という歌い文句。
「ホーム」の記述が出てきた時点から、このふたりは当時ホームに暮らしてた少年ふたりなんだと思ってた。
しかもその後に「ぼくのすべてをきみにあげるよ。」
…って別人のセリフだし!
見事に騙されたわwwwwwwww
天才ハッカーはあくまでエンターテイメント性を高めるための味付けで、レフにとっては、研修医時代に1回会っただけの「嘘つきだけど役に立つ人」に過ぎない。
イリナの葛藤や罪悪感、レフへの深い愛情をストーリーの主軸にしたら、もっとグッときたと思う。
レフも冒頭から定期的に父母の記憶をフラッシュバックしてさww
ヨシダとの約束、イリナの想いと信念。
やはり、親子の関係は深い。
哲は性悪ではなくむしろ人間味があるでしょ。
有里が判断力も行動もAI並みに優秀すぎて、いい女だと思う。
- 感想投稿日 : 2014年2月2日
- 読了日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2014年2月2日
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