トード島の騒動 下 (扶桑社ミステリー ハ 4-8)

  • 扶桑社 (2001年5月1日発売)
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感想 : 3
3

8冊プラス1冊
入手して切り崩すように読んでいる3冊目 
1999年の作品の下巻

作者は、ただ「環境破壊をする開発業者や政治家に反対!」という事がいいたいのかな?と前々から思ってて、必ずそういう主張の人間を主役の一人として配置していると思っていた。

でも、それなら各書に共通して出てくる
"怪人"スキンクを主役としてシリーズを書けば良い。怪力だし。

そこをあえてせずに、"小スキンク"的な過激な環境活動家の青年を軸に置いてる。
たぶん過激な活動をして、命を奪ったり、安易な破壊行為をする者も批判してのことだろうか?
「力」を持っているスキンクは、自ら進んで、そういう者達を潰そうとはしない。(威嚇や環境破壊の実態を伝える授業は行うが) ただ闇雲に「悪い奴には制裁を!」と止まらない若者とは違う。こっちの方が作者の立ち位置っぽい。見守っている…まあ手もかなり出すけど徹底抗戦と言うわけではない。

狂人や、おかしな登場人物が多く
言い回しが軽かったり汚なかったり
下ネタだらけなので、なかなか本質が伝わりにくいが、その中で伝えたい事を織り込んでくる。
または詰め込んでるのが面白く、またダレてつまらない。

彼らに理解を示してくれる人が数人出てくるのにも希望が持てたり。(補佐官のキャラクターが良かった。)

単純で馬鹿な行動と、複雑な感情の動きと愚かさがごちゃ混ぜなのが人間っぽい。

物凄く口の悪いやつの落語を聞いてるかのよう。いや、アメリカだからラップか?

最近は色々規制がかかって、テレビも漫画もやや問題にならないように和らげられたり、不適切な発言は聞かないし目にすることはない。
その反動だろうか…過激で馬鹿みたいな事をこういう本で摂取したいのかも?

げんなりするくらい濃いのだけど…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月27日
読了日 : 2019年12月27日
本棚登録日 : 2019年12月20日

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