永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)

著者 :
  • 太田出版 (2013年3月8日発売)
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大きな台風は動きが遅く
まだ、危険がいっぱいです。
あまり出歩かないように、お気をつけ下さい。





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いやはや、、難しい本を読みはじめてしまった。。。
何度か後悔しましたが、コレはどうしても読み終えねばならぬ、
そんなふうに、難しい言葉の海をかき分けて、読了。

超訳『日本国憲法』~の本は、読みやすく
実に簡易な言葉で、書かれていたのですが
この本は、ちょっと私には難しい言葉が多かった。
がしかし、こんな私でも著者が発するメッセージは
少しは届いた、、、と、思う。

今、集団的自衛権しかり、
福島原発事故しかり、
すべての政治の動きは、
責任をうやむやにしてしまって来た
政治家及び、我々国民にも
産み出す素地があったということ。
それは敗戦から。。。

中に書かれている言葉で、こういう一節が
『占領軍の「天皇への敬愛」が単なる打算に過ぎない
ことを理解できないのが戦後日本の保守であり、
このことを理解はしても、
「米国の打算」が国家(アメリカ)の当然の
行為に過ぎないことを理解しないのが戦後の左派である。
いうなれば、前者は絶対的にナイーブであり、
後者は相対的にナイーブである。』

敗戦国だという事実から、冷静に考えれば
ポツダム宣言によって切り離された領土に関しての
日本の主張。

この時に日本国と同一だったと
戦勝国からかんがえられていた韓国や
当時は革命前の国だった中国は列強からポツダム宣言から
排除され、ますます複雑に。
そのうえ革命前と、日本に占領され解放された前の中国の
ダブルスタンダードな主張。

沖縄駐留と米国からの圧力でソ連(ロシア)に対して
主張させられた北方領土。

敗戦、原爆を受け焦土になった日本。
これをただ、情感だけで捉えてはならない。
勝てるはずも無い戦争をおこし、
完膚なきまでの状況になりながら
原爆まで落とされる。
国民を守る為には、もっと早い見極め
敗戦宣言をすれば、被害はもっと少なく
防げることも多かったはず。
戦争を起こしたことの国民に対する責任も
反省も無く、今では敗戦した事実さえ
ポツダム宣言の事実さえ忘れようとしてる。
戦争を起こさせない為の憲法であったかもしれないが
それを変える意味は、戦争を起こすかもしれないという
可能性であるし、そんな政治家を放任していいのかという
問いも見えてくる。

情感で走ってしまう国民性の怖さ。
いま、自分たちの心の中を深く見て
戦争をしないのか、まだ、したいのか?
どういう未来を考えているのか?
考え直さなければいけないのかもしれない。

敗戦したのだ、という事実。
ここを忘れなければ、
すっきりしない問題がだいぶ輪郭が見えてくる。
難しい本でしたが、ある意味気持ちのいい
すっきりとは、してる一冊でした。


日本が大好きで
誇れる国にしたい気持ちの国民が多いと思います。
だから、もっと知らなければならないことも
多いのですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月11日
読了日 : 2014年7月11日
本棚登録日 : 2014年7月7日

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