日本人はどう住まうべきか?

  • 日経BP (2012年2月2日発売)
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割と最近の著、有名なお二方の対談は
視点も面白くメカラウロコ、、、たびたび。

どうも、一生懸命な日本人は
なんでもやりすぎる嫌いがあるらしい。。。
傾斜度の大きな山肌、
国産の木を伐採して使った後
どうせ使うからと原生林を杉や檜に全て変えてしまった。
傾斜度の大きな山肌は
その土地にあった原生林を構成する木であるならば
大雨が降ろうと、崖崩れも早々起こらない
ところが根っこが粘らない杉や檜を
そんな土地に均一に植えてしまうと
あっという間に土砂災害が。。。

また風光明媚な海岸線に一斉に走らせた道路。
そんな道路をただただ眺めがいいと作ったおかげで
海岸線が破壊され砂浜が消えてしまうことも。

地形はどうやって形作られたか?
山から流れる川が作る土砂、堆積物
大きな海洋からの波、風にも作られた海岸線。
そこにはまっすぐに作ってしまうことで
今まで起こらなかった災害もおこったり、
今まで防がれていた自然からの大きな影響を
クッションのように遮っていた
なんともいい具合の地形をなくすことにもなったり。

人は長い間自然とだましだまし付き合ってきた。
制圧する力はないことを知っていたからだ。

また、今では珍しくもないコンクリート建築。
シャープで現代的なその工法は
手先が器用で真面目な日本の大工さんがいればこそ。
コンクリートは生真面目にベニア板を並べ、
コンクリートを流すが、
一旦乾いてしまえば、中に何が入っているのかわからない。
真面目な日本の大工さんの信用にかかってる。

どことは言わないが、、、
コンクリートの中にゴミが入ったり
鉄筋が少なかったり、、、
目には見えないからこそ、
人の信用の上に成り立つ工法なのだ。

お二人はもっと木を使った建築も!とも言っている。
実に興味深い対談でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年2月9日
読了日 : 2015年2月9日
本棚登録日 : 2015年2月2日

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