現代思想 2022年11月号 特集=ヤングケアラー ―家族主義的福祉・貧困の連鎖・子どもの権利……―

  • 青土社 (2022年10月27日発売)
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感想 : 2
4

素晴らしくよかった。
ここ最近の現代思想で最もよかった気がしてます。
現実的な問題に直面したところからスタートした議論となっている点はフェミニズムと類似性を感じますが、より現実との折り合いをよりつけようとしている印象を持ちました。
個人的な要因としては、子供という第三者の権利を守ろうとするものである(主観じゃないからこそゴール設定にも慎重になる)、という点が挙げられるのではないかなと思った。

貧困含め現実に複雑な問題を抱えており、保護という結論を素人としては考えてしまいがちだが、必ずしも常に最適解なのかはわからない。
他者から見たら崩壊した関係でも保護した先に愛着を寄せられるものがなければその子供の発達に大きく影響をしてしまうと想像する。しかしながらそのまま放っていいはずもないので、個別対応をするしかないのだろう。
また、高齢家族への介入などは当方もするが、子供においては大きく異なる点もあるのだろう。つまりは現在の不利益に加えて未来での不利益についても考えなければならない上に、自分の未来への決定が必ずしもできるわけではないだろう。
なにせ、子供が子供らしくあれるように、一般論でなくその場その場で考える他ないのだろうと想像する。

斎藤真緒さん、鷲谷花さん、李東輝さんの文章が中でもよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月8日
読了日 : 2022年12月8日
本棚登録日 : 2022年11月11日

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