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- / ISBN・EAN: 4988135805775
感想・レビュー・書評
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凡庸の頂点サリエリから見た、天才モーツァルト。
精神病院でのサリエリの語りとともに、過去のモーツァルトの作品を聴けるので、見ていて飽きない。
モーツァルト→天才の無駄遣いはもったいない(*_*)口惜しい!いいマネージャーがいれば良かったのに。お父さんから自立できていなかったことが全ての元凶のような気がした。奥さんのコンスタンツェ役の方がとっても愛らしかった!その方の笑顔が上白石萌音さんのデビューしたての時によく似ていた。
サリエリ→ 必ずしも、才能を欲した人が才能を得られるわけではないという凡人の苦悩はよく聞くけど、その才能を誰よりも理解する力と信仰心を与えられてしまった彼は、一層つらかったと思う。神の理解がだんだんひねくれていく様はわからないこともないけど、狂ってしまって残念だ。(個人的には、凡人は「人生は総合点」と思って生きるのがいいと思っている!)サリエリが、「ぶどう園の労働者のたとえ」を読んでどう思うか聞いてみたい。
中世ヨーロッパのセットも素敵だった。 -
遥か昔に観たけど、久々に観たくなって図書館で借りてきた。
モーツァルトの人生をサリエリ視点で描くというもので、この映画のおかげでサリエリの知名度はあがったけど、きっとこんな悪人ではなかっただろうからちょっと可哀想ではある。
冒頭で、サリエリがモーツァルトと父親のレオポルトの父子関係を羨む辺りは少し意外でもあり、モーツァルト一家の英才教育の有り様を巧く表現しているなと思った。マリーアントワネットとのエピソードもさりげなく皇帝のセリフという形で登場させている。ついでにベートーヴェンとの邂逅エピソードなんかも加えて欲しかった。
演出としては、余り時代考証にこだわらずに現代風にアレンジしているという印象。でも、あの時代も相当退廃的だったから、意外とこんなものだったのかもしれないが。
初めてみた時はよくわからない箇所もあったけど、ある程度モーツァルトの自伝的なことも知った上で見ると、すんなりと理解できて面白い。もう少し父子関係の濃厚さとコンスタンツェの悪妻さ(なんかいい奥さん風だった)、サリエリの怨恨っぷりを強調してもよかったのかなとは思う。
良くも悪くもモーツァルトのイメージを決定づけてしまっている映画だな。これに対するカウンター的な映画が作られると面白いのに。 -
天性の才能を持つモーツァルトと凡庸なサリエリ。凡庸な人間のひとりとしてサリエリに共感しながら観るも、苦しくて、ながら鑑賞となる。オペラのシーンが細切れにあって、あーちゃんと劇場でオペラ観たりクラシック聴いたりしたいと強く思った。
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10年以上ぶりの再見。凡人である宮廷音楽家サリエリが天才モーツァルトにレクイエムを書かせ、実際に死に至らしめるというなんともわかりやすい映画。この単純な二元論が今回は不満だった。
もう一つ気づいたのは、村上春樹の「騎士団長殺し」は本作にけっこう負っているなということ。
もう一つは、Yohji Yamamotoの服って、あれは喪服だったんだな、という、今更ながらの気づき。 -
ディレクターズカットは小ネタ満載でいいし、モーツァルトの人となりも知れて親近感が湧くんだけど、モーツァルトが人らしく喜悲哀こもごもになっているのを見てしまうと、彼が私達と同じ人であることを意識してしまうので、通常版くらい、サクッと神の子として、(サリエリの視点と同じように)余計なものは見せずに我々を突き放してくれ……とも思ってしまうわけ なのでどっちかというと通常版のが好き なんだがこれは途中でディスクを裏向けないといけないから面倒くさい
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何回目かな、久々に見た。最初は劇場で見たのだから、もう30年近く前なんだけれど、今見ても、全然古い感じがしない、名作だと思う。音楽は素晴らしいし、衣装も舞台もすごいと思うが、それより何よりモーツアルトのやけに気に触る笑い声が強烈である。
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
モーツァルトの曲は聞いたことがあっても、人となりについては思いを巡らせたことがありませんでした。
モーツァルトに反目するサリエリの楽曲と比べると、モーツァルトの楽曲は軽やかで絢爛な印象を受けます。
その楽曲のセンスに天才的な才能が重ねて描かれていて、モーツァルトの先進性、天才性を感じました。
一方で、音楽的な才能を発揮しながらも、性格・生活は破天荒でわずか35歳でその生涯を閉じます。
この映画の独白者、サリエリはモーツァルトと対照的で凡庸・硬派・安定といった趣き。
それがゆえにモーツァルトの天才性の前に苦しみ、怒り、嫉妬する様子がとても生々しく伝わってきました。
嫉妬し怒りに震えながらも、モーツァルトの才能を理解し認めるがゆえに、二律背反する気持ちの間で板挟みになるサリエリの苦悩が痛々しくも、そのためにモーツァルトの華麗さが引き立っていました。 -
神と才能の話。
凡庸な我々はそれに憧れ、それを賞賛し、それに嫉妬することしかできない。
フィガロしかちゃんと聞いたことなかったけどモーツァルトはオペラの人だったのだな。古典オペラを観てみたくなった。