最近立ち寄った本屋さんで目に留まった、てか呼び止められた一冊。
白を基調とした表紙にぼぉっと浮き上がって見えるタイトル。
断片的?何のことか気になるんやけど。
著者(生活史専門の社会学者)の語り口調がとても詩的。
それだけで学術書じゃないことがよく分かる。
他者へのインタビューでほぼ構成されているがそれに対して感傷的にならず、ただ淡々と第三者目線で話を進める。
静かに引き込まれたが断片的なストーリーが掻き集められているせいか、心に残るものがあまりない。
著者曰く
インタビューで他者の人生や心に入り込む感覚は、暗い海へゆっくりと身を投じるようなものらしい。
そう言われると私も段々自分が深海に引き込まれていく感じがした。そして著者の綿密な聞き取り調査にも大いに感服した。
以下、一番心に残った部分だけ引用しておく。
「私たちは孤独である。脳の中では、私たちは特に孤独だ。どんなに愛し合っている恋人でも、どんなに仲の良い友人でも、脳の中までは遊びにきてくれない」
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年9月8日
- 読了日 : 2015年9月8日
- 本棚登録日 : 2015年9月8日
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