トムキンズの『優雅な生活が最高の復讐である』をもじっており、コラムニストの著者が過去に読んできた本のレビュー本となっている。(本書を先に知ったので、本家本元は日を改めて読んでみようと思います汗)
ブクログも含め、レビューを読むのが好き。
関心のなかったジャンルの作品でも、レビューを読むことで「これなら読みたい!」とワクワクしてくる。本書も例外ではなく、読みたい作品が出てくるたびにリストに書き込んでいた。(その数計21点!読むものには当分困らんだろう笑)
知っていたのが『夜は短し歩けよ乙女』くらいしかなく、心細い思いをしていたのが今では嘘のよう!
その秘密は、紹介しすぎないところにある。
軽いあらすじ紹介と面白いと思ったポイントの分析を一通り終えてから、同じ手順で関連本に踏み込んでいく。似た毛色の作品を挟むことで、退屈することなくレビューを楽しめるのだ。
読んだ人にしか分からないネタを披露されたり、そのせいでアウェー感に陥ることも一切ない。「これが読みやすいレビューの一例か!」と、大変参考になった。
紹介といえば、彼女が訪問した世界の本屋さんルポ「ザ・ワールド・イズ・マイ・ブックストア」や翻訳家 岸本佐知子氏との対談も夢中になって読んだ。
国内外旅行において現地の本屋さんを訪れるのはかねてからの夢だったから、このルポは大いに興奮した笑(本だけでなく店のトートバッグを買い求めるところとか、まさに理想の買い物…!)
対談の方は各々が読んだ作品をシェアしていく構成。女子会めいていて、カフェのテーブルに本を並べながら会話に花を咲かせる図が思い浮かんだ。
一旦スイッチが入ると、周囲(ここでは読者)を気にせずとことんプレゼンしちゃうんだよなー笑
他に特徴を挙げるとすれば、非日常感だろうか。
特に途中の読書日記では、著者の優雅な読書体験が顕著に現れている。マンハッタンのエースホテルでチェックインを待つ間や、紅茶にウィスキーを落としながらクラシックをBGMにして本を開く…。
どちらかと言うと自分も余裕がある時に読書することが多いから、何者にも邪魔されないという点ではめちゃくちゃ共感できるし、彼女の優雅タイムも追体験してみたい!笑
最後に、タイトルの「復讐」とは何か。
著者の場合、昨今の情報過多社会においてふと自分のペースで本を読んでみると、世間の流れから外れて解放された気分になるという。そのちょっとした反骨心が彼女の「復讐」である。
一方、自分の読書には失敗談が多い。
内容が期待外れで断念したり、読了しても自分の中に浸透していなかったり。しかしそれらを凌ぐような良作に出会えた時には「良い読書をした」という多幸感に満ち、出会えたことへの優越感にも浸る。
それが自分にとっての「復讐」で、今まさにその状態にある。
Best User Awardとても嬉しいです!!改めて、いつもいいねやコメント有難うございます。
本書の山崎まどか氏を見習い、自分の感想を最高のかたちで言語化できるようこれからも日々これ精進で励んでいきます。
今後ともどうぞ宜しくお願いします(o^^o)
- 感想投稿日 : 2023年1月26日
- 読了日 : 2023年1月26日
- 本棚登録日 : 2023年1月26日
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