児玉清の「あの作家に会いたい」

著者 :
  • PHP研究所 (2009年7月1日発売)
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感想 : 78
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楽しい本です。
PHP連載です。
児玉清さんが25人の作家と対談しています。
一人あたりの紙数が少なく、食い足りないところはありますが、写真も載っています。

25人は、大崎善生、森絵都、荻原浩、東野圭吾、上橋菜穂子、万城目学、桜庭一樹、角田光代、真保裕一、あさのあつこ、三浦しをん、有川浩、北村薫、川上弘美、町田康、江國香織、北方謙三、山本兼一、石田衣良、小川洋子、夢枕漠、村山由佳、北原亜以子、浅田次郎、宮部みゆき、とそうそうたる人たちです。

それぞれの作家のお薦めの本も載っています。
角田光代さんのお薦めは吉田修一さんの「悪人」です。

「週刊ブックレビュー」に出演したことのある作家が多いのは当然かも知れません。

荻原浩さんが読書家の奥さんに書いたものを読んでもらったら寝てしまったということで、「自分のストーリーをただ綴っているだけでは人は読んでくれない」と思い知って、「面白い描写」を入れるようにしたそうです。

桜庭一樹さんは戯曲が好きで、テネシー・ウイリアムズを愛読しているそうです。
かつては高校演劇でも「罠」「財産没収」「バーサよりよろしく」などが上演されました。
わたしもよく読んでいた時期があります。

児玉清さんは川上弘美さんの書評集「大好きな本」を褒めていました。
分厚い本ですが、書評というよりも川上弘美さんの人柄が語られているエッセイ集です。
川上弘美さんは「つまらない大人が一番面白い」と言います。

江國香織さんは幼少期に父親の書斎に出入りしていて、「積ん読」の効果について語っています。
本は読まなくてもそこにあるだけで雰囲気が出てくるといいます。
これは積ん読派にはありがたい言葉です。

児玉清さんは1934年生まれ、75歳です。
この年で精力的な活動を続けられていることに敬服します。
「週刊ブックレビュー」の司会もこのままずっと続けていただきたいです。

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感想投稿日 : 2009年8月5日
本棚登録日 : 2009年8月5日

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