オタクはすでに死んでいる (新潮新書 258)

著者 :
  • 新潮社 (2008年4月15日発売)
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自分自身が「オタク」であると自覚したのは、小学校高学年の頃だったと思う。10年以上、娯楽としてのオタク文化を嗜み続けてきて、社会人になってから、ずっと「オタク」の本質とは何なのか知りたかった。本質を知るには歴史を知らなければならないと思っていたし、その歴史に対する客観的な評論を読んでみたかった。その答えの一つが、この薄い新書にコンパクトに記されていたと思う。

岡田さんの世代論はとてもわかりやすく、この本でいう第三世代をも超えて第四世代(仮)くらいの年代である自分からすると、総じて納得感があった。
以下に、印象的だったフレーズを引用する。

文化というものを維持するには、それなりのプライドとか誇り、良い意味での排他性が必要になります。(中略)そのプライドの持ち方は貴族主義でも、エリート主義でもよかったわけです。しかし、いまのオタク世代にはどちらも必要なくなった。(中略)あるのは「萌え」に代表される快楽原則です。

オタクとマニアの違いはなにか?それは「民族であるか、ないか」です。

僕たちのオタク文化は、決して恥ずべき文化ではない。オリジナリティにあふれ、知的で洗練された、すばらしい文化だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書その他
感想投稿日 : 2015年2月15日
読了日 : 2015年2月15日
本棚登録日 : 2014年11月28日

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