アメリカにいる、きみ (Modern&Classic)

  • 河出書房新社 (2007年9月21日発売)
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本棚登録 : 216
感想 : 31
5

オレンジ賞、O・ヘンリー賞を受賞したナイジェリア出身の作家の短編集。
それまでわたしが抱いていたアフリカのイメージが、なんて薄っぺらな一面的なものだったかを知らされる。ビアフラ戦争なんて知らなかったし。ナイジェリアのセレブなんて想像したことさえなかったし。
そして一方当たり前のことをも再認識する。人種も貧富も関係なく、人はだれしも嘆いたりさげすんだり、愛したり嫉妬したり、喜んだり哀しんだりすることを。
だからこれは遠い国の話しであるとともに、まったく自分が同じように感じることのできる話でもある。
救いようのない、悲惨なストーリーが多いのに、読後100%どっぷりと暗い気持ちにならないのは、登場人物たちが決して生きることをやめようとはしないから。彼らは希望を捨てない、ということではなく、その生き方がわたしにはせつない希望になるのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年11月30日
読了日 : 2010年11月28日
本棚登録日 : 2010年11月30日

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コメント 2件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/02/07

「ナイジェリアのセレブなんて」
アフリカ=貧困みたいな図式しか持っていない日本人が殆どでしょうね(自分のコトを棚に上げて)。それ故に感じる違和感もあるのですが、今のところ他に頼るソースと言うか、本を読んでいないので、何とも、、、←まどろっこしい言い方
何かで「半分のぼった黄色い太陽」の映画が、今年?公開(日本じゃなく本国で)されると読んだ。さて日本では公開されるのだろうか?
(スミマセン全部独り言です)

ajiねえさんのコメント
2013/02/07

nyancomaruさま
この人の書いたものはこれか読んでいなくて・・・「半分のぼった黄色い太陽」、読んでみようかな。

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