天体議会―プラネット・ブルー (河出文庫 な 7-9 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社 (1994年8月1日発売)
3.88
  • (271)
  • (151)
  • (333)
  • (10)
  • (4)
本棚登録 : 1694
感想 : 140
5

あまりにも少年たちの関係が危うげで、途中何度も頁をめくる手を止めてしまった。

銅貨は気づいていないが、恐らく誰よりも愛されているのが銅貨本人である。
水蓮と藍生の間に漂う親密さも、元はといえば銅貨という存在に根ざしているのではないか。

銅貨と水蓮の仲直りのシーンは、長野作品の中でも指折りの名場面だ。
この先きっと、これを超える『仲直り』と出逢うことはないだろう。
続く少年たちの糖菓の交換は、思わず見ているこちらが照れてしまう。

今回は再読で、初読は中学生の頃だった。
あのときは終わり方に寂しさを感じたものだったが、今はそうは思わない。
……それにしても藍生さんの不器用さと捻くれ具合には苦笑いをしてしまう。
藍生さんもまだまだ子供ということだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 長野まゆみ
感想投稿日 : 2012年7月21日
読了日 : 2012年7月20日
本棚登録日 : 2012年7月20日

みんなの感想をみる

コメント 1件

megmilk999さんのコメント
2020/10/10

仲直りのシーン、読み返してみます。

ツイートする