本の虫で容姿のぱっとしないソーネチカの静謐な一生を描く。
冒頭部は本の虫ならぬただの本好きな私にとり、うんうんそうだよね、とニヤニヤしながら読む。そして、ロベルトに見初められ結婚し、娘ターニャを産み育て、次第に本から遠のいていく。しかし、そこには平凡な幸せが存在し、現実世界をきちんと受け入れている姿がある。やがて娘が連れてきたヤーシャが思わぬ方向へ傾いていき……。
普通だったら嫌悪感を伴うが、主人公の何でも受け入れる前向きな性格がじつによい。だから読了後、満たされた気持ちになったのだと思う。ささくれた心に響く名作。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2015年7月29日
- 読了日 : 2015年7月29日
- 本棚登録日 : 2015年7月29日
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